「雪どけ米」は、天水田の棚田で育て、稲架掛をして天日乾燥させた新潟県上越市産のコシヒカリ(従来品種)です。
この「雪どけ米」が育つ田んぼは中山間地にあり、多い時には3メートル以上の雪が降ります。この雪は生活するには大変ですが、米作りにとっては天からの恵みと考えています。毎年どんなにたくさんの雪が積もったとしても春には必ず雪がとけ、きれいな雪どけ水が山の恵みを集め田んぼに入ります。この雪どけ水のおかげで田植えをすることができ、おいしいお米を作ることができます。
そして雪どけとともに春の暖かさを感じ、今年はどんな米になるのかといった期待や新しいことがはじまる予感が、米作りをする私にとっての原動力にもなります。
春になり雪がとけるということが、私の米作りにとってとても大切なことに感じますので、自分の作る米に「雪どけ米」という名前をつけました。
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「雪どけ米」は自然栽培、減農薬の2つ方法で栽培しています。
【自然栽培】
肥料や農薬を使わずに育てたお米です。
環境になるべくやさしい米作り、そして周囲の自然を最大限に活用した米作りをしたいとの思いで、買ってきた肥料や農薬を使わない栽培方法に特に力を入れ取り組んでいます。
種は、毎年田んぼで無農薬、無肥料で育てた稲から自家採種したものを使っています。
苗床の土も、移植先の田んぼから採ってきた土に米ぬかとくん炭を混ぜ、発酵させた物を使っています。田植え後にチェーン除草機を使って、雑草が生えづらくするなどの作業を工夫しながらやっています。
基本的には、その田んぼやその周辺にある物のみを使っての栽培です。
収穫量は少ないのですが、必死に子孫を残そうとする稲の力強さを感じられるお米ができると考えています。
【減農薬】
田植え後に除草剤を一回だけ使用したお米です。
化学肥料は一切使用せず、有機肥料を使って育てました。農薬は田植え後の除草剤のみの使用です。
上記以外については、自然栽培と同じ方法で栽培しています。
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この土地では、昔は収穫した米の乾燥はすべて、稲架に刈り取った稲を掛けて行なっていたと聞いています。今は機械乾燥が一般的になり、稲架掛けの風景はあまり見なくなりました。
そんな中、昔から代々米作りをしてきた私の家ではずっと稲架掛けを続けてきました。
稲架掛けでの乾燥作業は天気仕事。自分の都合に関係なく、天気次第で作業を進めなくてはなりません。雨の日が続き、なかなか乾燥が進まないといったこともあります。
また、稲を一束づつ手作業で掛けていくため、大変な労力がかかります。
こういった苦労を伴う稲架掛けですが、太陽の光に当て乾燥させたお米の味はやはり本当に美味しいと感じます。
手のかかる方法で作り上げた「雪どけ米」です。今年も良いお米ができました。
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また、米作りの傍ら、藍染めで糸を染めたりしています。山から染み出る湧き水を使い、自然に囲まれながら丁寧に心を込めて染めています。
「つばめのうた」という屋号で活動しています。
ホームページがありますので、是非ご覧下さい。
http://www.tsubamenouta.com